立ち寄った本屋での出逢い
まだ暑い9月のこと、人と食事をするために待ち合わせ場所につくと、まだ予定の時間までだいぶ時間があったので、涼しい本屋へ逃げ込みました。当時ちょうど、自分の体調に不安を覚えていて、これからどうやって生きていこうかと悩んでいた時期でした。
資格の書棚でこれからのヒントになりそうな本を探し、健康に関する書棚を眺め、趣味の本をを立ち読みして、まだ時間が余っていたので、自己啓発本のある棚へ移動しました。
「1分で○○できる…」
「○○している人の10のこと」
「○○するより□□しろ…」
など、最近良く見るようになった本のタイトルを眺めていましたが、仕事を休んでいる人間にこんな言葉は届きません。仕事のことを考える必要がないのに、自己啓発の本なんてあんまり意味がなかったかな…とその棚の前から移動しようと思ったときに、本棚の少し下の方にひっそりと置いてあった本を見つけ、私が仕事を休むキッカケになったカウンセラーの一言を思い出しました。
「本当にやりたいことをやってないんじゃないかな?」
まるでその後に続く言葉が本のタイトルになっているではありませんか…。「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」
この本のタイトルをみて、自然と手が伸びていました。しかし、そこに食事の相手が現れて、伸ばした手が止まり、私はそのタイトルをスマートフォンのメールに書いて、自分のパソコンへと送り、食事に行くことにしました。
「モーニングページ」が思考を変える
食事を終え、自宅へ戻りパソコンを開くと、先ほど送ったメールが届いていたので、インターネットショッピングを利用して、本を購入し2日後には手元に届きました。私はゆっくりとこの本を読み始めました。
この本には、「人間は皆創造的な生き物である」と書かれていました。
そしてその創造性を閉じ込めてしまっているのは自分自身であり、いわば自分がふさいでしまっている創造性のフタを、「モーニングページ」というノートを使って書き綴っていくことで、少しずつリハビリをし元の開いた状態にしていこうというカリキュラムのような本でした。
毎朝30分、「モーニングページ」をノート3ページ分、思いついたことをそのまま書き出していきます。1週間ごとに課題があり、
「自分に対する肯定的な言葉だけを書く」
「やっていると楽しいことを20個書き出す」
「人生があと5つあったらやってみたかったこと」
など、自分が幼少期に描いていた昔の希望や夢を思い出すことから始まります。
「あぁ昔こんなことをやっていたな」
「あの選手にあこがれていたなぁ」
などすっかり忘れてしまっていた昔の記憶とともに、希望を抱いていた当時の心も少しずつよみがえってきて、思考がポジティブなものへと書き換わっていくのがわかります。
そして、自分の内なる希望や、やってみたいと思っていたことに対して、自然と自分自身が否定している言葉
「どうせ今からやっても遅い、手遅れだ」
「自分にはそんな才能はないよ」
「そんなことしたらどうせ批判されるに決まっている」
など、時間のせい、人のせいにしたり、自分を客観視してつまらない言い訳をするなど、自分が無意識にかけていた制限を取り払っていきます。
「やってみたら?」
「きっとできるよ!」
「君の○○をしている姿が好きだ」
自分の大切な人にかける声ときには、ポジティブな言葉を使って声をかけるのではないでしょうか?その言葉を先ほどの否定的な言葉の代わりに自問自答していけるようになります。
この本の中では否定している大人の自分、つまり今の自分に対して、その相手の存在を自分の分身である子供のような存在として書いていて、その子供こそか、自分の創造性そのもので、子供の声を肯定的に聞いているとやりたいことが何かわかり、それをやり始めると、不思議と良い出逢いと、良い縁に恵まれるように変わっていくというのです。
終わりに
我々は大人になるにつれて、客観性や常識を学び、その知識にとらわれて、自己内会話を否定的な考え方で行ってしまいがちです。神、シンクロニシティ、セレンディピティといった言葉は、胡散臭く聞こえる言葉ですが、自己否定的な思考を、そういった言葉に置き換えて、自己否定のループから抜け出すことで、自分自身を大切な恋人のように肯定することができるようになり、これまで自分にかけてきたブレーキや制限のようなものを取り外し、目の前のチャンスや選択肢を自然と手にとることができるようになると私は解釈しています。
「もし使い切れないほどのお金があったとしたら何をしたい?」
「もし希望通りの人生を送ることができるといわれたら、どんな人生にしたい?」
そう聞かれて、すぐに答えられない人もいると思います。私はこれに答えられませんでした。「本当にそんなことできるわけないし、考えても無駄」とも思いましたが、繰り返しモーニングページとカリキュラムをこなしていくと、今からでもそれが可能だということが徐々に見えてきて、目の前に現れた選択肢を自然と道を選ぶことができるようになり、人生は変わっていくかもしれません。
貴方の中の子供は何をしたいといっているでしょうか?
その声を聞くことができるかもしれませんよ。

by secretariat






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